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網膜静脈閉塞症監修:戸張 幾生先生(東邦大学名誉教授)
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網膜静脈閉塞症は、高齢の高血圧の人に多く見られます。 |
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特に視野の一部が欠ける分枝静脈閉塞症は、糖尿病とならぶ眼底出血を起こす二大原因です。 |
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高血圧の予防・治療に努めるとともに、見え方の異常に注意することが大切です。 |
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網膜の静脈が詰まると、その部分から末梢にかけての静脈が拡張して曲がりくねり、眼底出血や浮腫(むくみ)を引き起こします。これを「網膜静脈閉塞症」といいます。
多くの場合、高血圧や動脈硬化などが原因で起こります。発症のピークは60〜70歳代ですが、40〜50歳代と比較的若い年代にも見られます。
網膜静脈閉塞症には、「中心静脈閉塞症」と「分枝静脈閉塞症」の2種類があります。
●中心静脈閉塞症
高血圧や動脈硬化などが原因で、一番太い静脈の本幹(中心静脈)が閉塞するもの です。ただし、高血圧や動脈硬化がなくても、視神経の炎症などで血管の閉塞が起こ
ると、中心静脈閉塞症と同じ症状が現れることがあります。網膜の出血も軽度で毛細血管の閉塞のないものを「非虚血性」の中心静脈閉塞症といいます。若い人にも見られます。
一方、出血が多く、高血圧や動脈硬化が原因で起こる中心静脈閉塞症は「虚血性」
といいます。頻度としては、虚血性の方が圧倒的に高いといえます。
虚血性の中心静脈閉塞症は、次のような形で起こります。心臓から送られた血液が通る動脈と、心臓へ戻る血液が通る静脈は、どちらも視神経の中を通って枝のように
網膜に張り巡らされています。その幹となる動脈と静脈は、視神経の中で同じさやに包まれています。
この視神経の中の動脈に硬化が生じると、硬くなった動脈が同じさやにある静脈を 圧迫します。つまり、幹である中心静脈が圧迫されることから、網膜全体の血の戻り
が悪くなり、静脈の内圧が上がって、血液が網膜全体にあふれ出てきます。また、出血のために、網膜にむくみも起こってきます。
出血やむくみが、網膜の中心部の黄斑部に及ぶと、視力が低下します。放置してお
くと、出血性緑内障を合併することもあります。
●分枝静脈閉塞症
静脈は、視神経乳頭から4方向に大きく枝分かれします。この4本の太い静脈は、
それぞれ「上耳側静脈、下耳側静脈、上鼻側静脈、下鼻側静脈」と呼ばれています。
このいずれかに閉塞が起こるのが「分枝静脈閉塞症」です。
分枝静脈閉塞症は、糖尿病とならんで、眼底出血を起こす代表的な病気です。患者 さんの数も中心静脈閉塞症の約10倍と、圧倒的に分枝静脈閉塞症の方が多く見られます。
原因は、動脈硬化です。動脈と静脈は、網膜のあちこちで交差しており、交差部分に動脈硬化が起こると、静脈が圧迫されて血流が悪くなります。それによって、その先
の毛細血管の内圧が上がり、出血や浮腫を引き起こします。
最も閉塞が起こりやすいのは、黄斑部の中心窩の上を走っている上耳側静脈です。
ここに閉塞が起こると、黄斑部に出血や浮腫がかかりやすく、視力障害が起こってき
ます。また、分枝静脈閉塞症では、硝子体出血を起こすこともあります。
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