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網膜動脈閉塞症

監修:戸張 幾生先生(東邦大学名誉教授)

網動脈閉塞症が起こると、突然、視野全体あるいは一部が見えなくなります。
頻度は高くありませんが、目の病気では最も緊急な治療を要する怖い病気です。
疑わしい症状が起こったら、一刻も早く受診することが大切です。

どんな病気か(網膜の動脈の血流が途絶え、急に見えなくなる)
網膜動脈閉塞症の眼底写真
●網膜動脈閉塞症の眼底写真
網膜の動脈が詰まると、血液が流れていかなくなった部分が白っぽく見える。血液の供給が途絶えた組織は数十分後から壊死し始める。
 

「網膜動脈閉塞症」は、網膜の動脈が詰まる病気で、高齢者、特に動脈硬化や心臓病、糖尿病などがある人に多く見られるものです。
 網膜の動脈は、網膜に酸素を供給しているため、血流が途絶えると組織の細胞が酸欠を起こして壊死(えし)に至ります。細胞が壊死した網膜は光を感じることができなくなるので、その部分の視野が欠けてしまいます。

網膜動脈閉塞症は、閉塞した動脈の部位によって、次の三つに分けられます。
●中心動脈閉塞症
 網膜全体に血液を送っている動脈の本幹に閉塞が生じるものです。本幹が詰まると、 網膜にまったく酸素が行かなくなるので、いきなり視野全体が暗くなります。閉塞の程度にもよりますが、そのまま失明に至ることがあります。
●分枝動脈閉塞症
 本幹から枝分かれした細い動脈に閉塞が起こるものをいいます。閉塞が起こった部位によって、視野の上半分や下半分が見えなくなります。完全に失明することはあり ませんが、一度失われた視野の回復は望めません。
●毛様網膜動脈閉塞症
 毛様網膜動脈は、視神経の周囲を走っている細い動脈で、そこに閉塞が起こるものです。視野全体が見えなくなることはありませんが、部分的な視野欠損が起こります。