コンタクトレンズ教室 コンタクトレンズに必要な検査と処方 監修:小玉裕司先生(小玉眼科医院)
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ハードコンタクトレンズの処方の手順

各種の検査により目に合うと思われるトライアルレンズを選択し、装用させ、レンズのフィッティングと視力を検査し、実際に処方するレンズを選択していく。

ベースカーブの選択

オートレフケラトメーターにより測定した角膜曲率半径のデータを参考にする。
水平および垂直の角膜曲率半径の中間値を求めて、最も近いベースカーブをもつトライアルレンズを選択する。

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サイズの選択

ハードコンタクトレンズのサイズ選択は、角膜曲率半径、角膜径、瞳孔径、眼瞼幅、眼球突出等の要素を考慮して決定する。

<レンズサイズ選択の指標>

直径 9.0mm前後 8.5mm前後 8.0mm前後
角膜曲率半径 8.00mm以上 7.70mm前後 7.30mm以下
角膜径 12mm以上 11.5mm前後 11.0mm以下
瞳孔径 6.0mm以上 4.0〜5.0mm前後 3.0mm以下
瞼裂幅 10mm以上 7〜8mm前後 6.0mm以下
眼球突出 16mm以上 14mm前後 12mm以下

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フィッティング判定

ハードコンタクトレンズのフィッティングは、フルオレセイン染色によるレンズと角膜の間の涙液の染まり具合でチェックする。これをフルオレセインパターンによる判定という。

フルオレセインパターン判定の用語とチェックポイント

●レンズの動き
瞬目によるレンズの動きをチェックする。
瞬目によって上方に引き上げられたレンズが、ゆっくり下がってきて、中央に落ち着くのが望ましい動きである。この緩徐下降型(ゆっくり下がってくる動き)をとり、静止位置(レストポジション)が中央部にある時に視力は安定し、異物感も少なくなる。
このような動きをとる場合を「スムーズ」とよび、それに対して、レンズの動きが早すぎる場合を「ルーズ」、遅すぎるか、あまり動かない場合を「タイト」とよぶ。
●角膜曲率半径とレンズの関係
中央部および周辺部の角膜曲率半径(あるいは角膜形状)と、レンズのベースカーブとの関係をチェックする。
角膜曲率半径とベースカーブが平行にある場合を「パラレル(写真16)」、角膜曲率半径がベースカーブより小さい場合を「フラット(写真17)」、大きい場合を「スティープ(写真18)」とよぶ。

(写真16)パラレル

(写真17)フラット

(写真18)スティープ
●角膜中央部でのフルオレセイン染色の具合
角膜中央部でのレンズ下の涙液の染まり具合を、フルオレセインによってチェックする。
涙液が均等に染色されている場合を「アライメント・クリアランス・タッチ(写真19)」、中央部が薄くてその周りが濃い場合を「アピカル・タッチ(写真20)」、その逆を「アピカル・クリアランス(写真21)」とよぶ。

(写真19)
アライメント・クリアランス・タッチ

(写真20)
アピカル・タッチ

(写真21)
アピカル・クリアランス
●ベベル幅
レンズの周辺部にはベベルとよばれる部分があり、このデザインがレンズの動き、静止位置、涙液交換、異物感などに大きく影響を与える。
ベベル幅(写真22)が広すぎるとレンズの動きはルーズになりがちで、涙液のドライアップによる3時−9時ステイニングの原因となる。逆に、ベベル幅が狭すぎると、レンズの動きはタイトになり、レンズの機械的刺激で3時―9時ステイニングの原因になることがある。
●ブレンド(研磨)状態
レンズのベースカーブと中間カーブ、中間カーブと周辺カーブのつなぎ目は鋭角になり、そのままでは角膜に刺激を与えるので、曲面の移行部はブレンドをかけて丸みをつける。
このブレンドの状態が不足すると(写真22)、異物感が強いだけでなく、角膜上皮障害を引き起こすことがある。逆に、ブレンドをかけすぎるとレンズの動きは不安定になり、異物感の原因となる。
●エッジの浮き上がり(エッジ・リフト)
レンズの動きを左右する要因に、エッジの浮き上がりがある(写真24)。
エッジの浮き上がりが大きすぎる場合は、レンズの動きが不安定になるし、小さすぎるとタイト症状が出る。

●ルーペ、ベベルチェッカーによるベベルデザインのチェック
ベベル部分のデザインをチェックするには、直線型蛍光灯の光をレンズのベベルに当てて、ルーペを用いてベベルでの反射光をチェックする方法や(写真25)、ベベルチェッカー(写真26)内にレンズをおいてチェックする。

(写真25)ルーペによるチェック

(写真26)ベベルチェッカー
エッジの浮き上がり

良好なフィッティング

選択したトライアルレンズを装用したときのフルオレセインパターンが、下記条件を全て満たしたときにフィッティングは良好と判定し、パワーの決定に進む。
いずれかが悪いときはトライアルレンズを変えて、納得のいくレンズが見つかるまで検査する。

レンズの動きはスムーズで、瞬目によって上下に動き、静止位置は中央部になる。

フルオレセインパターンはパラレルからややフラット。

角膜中央部におけるフルオレセインによる涙液の染色具合が均等。

ベベル幅、エッジの浮き上がり、ベベルとベースカーブ部分のフルオレセイン濃度の移行具合が適度。

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パワーの決定(追加矯正)

オートレフケラトメーターやレチノスコープで測定したデータを参考にパワーを決定する。
トライアルレンズのパワーはなるべく自覚的屈折度数に近いものを選択する。
トライアルレンズを装用した上から眼鏡枠をかけ、眼鏡レンズを用いて追加矯正を行う。コンタクトレンズの度数を決定する場合、過矯正にならないように赤緑指標試験(2色テスト)などを用いてチェックする。

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周辺部のデザインの選択

ベースカーブ(BC)、中間カーブ(IC)、周辺カーブ(PC)を有したレンズのデザイン、BCとPCだけのデザインもある。

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表記法

ベースカーブ/パワー/サイズ/レンズの種類の順に記載する。
もしもベベルデザインに種類があり、それを指定する場合は、その後に続ける。レンズの種類を最後に付け加える。

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処方

トライアルレンズによるフィッティング判定、追加矯正から、処方するレンズのカーブ、直径、度数を決定したら、実際に処方するレンズを選択し、装着してさらにフィッティングを調べる。
どこか具合が悪いところがあれば、また違うトライアルレンズを使用して検査しなおし、適正なフッティングと矯正視力が得られるまで検査する。

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